成田空港の最寄駅といえば「成田空港駅」や「空港第2ビル駅」を思い浮かべる方がほとんどでしょう。
しかし、空港のすぐそばに、かつて空の玄関口として活躍し、今も静かに現役であり続ける駅があることをご存じでしょうか。
それが 東成田駅 です。
今回は、成田空港の歴史とともに歩んできた東成田駅の魅力を、実際に訪れた目線でご紹介します。
かつては「成田空港駅」だった場所
東成田駅は、1978年の新東京国際空港(現在の成田国際空港)開港時に
「成田空港駅」 として誕生しました。
当時は、ここが空港利用者のメイン玄関口。地下深くに造られた駅構造や長い連絡通路は、「国際空港の駅」としての威厳を今も感じさせます。
その後、空港ターミナル直結の新駅が開業したことで役割を譲り、
現在の名称「東成田駅」へと変わりました。
地下通路に漂う、時代の記憶
東成田駅を訪れてまず印象に残るのが、
やや薄暗く、どこか懐かしさを感じる地下通路です。
壁面のタイル、天井の低さ、案内表示のデザイン——
どれもが「昭和の空港施設」の空気を色濃く残しています。
華やかで近代的な成田空港ターミナルとは対照的で、
歩いているだけで、時間が少し巻き戻ったような感覚になります。
いまも現役の駅として存在
現在の東成田駅は、京成電鉄の一部列車が発着し、
空港関係者や鉄道ファンを中心に利用されています。
利用者は多くありませんが、
それゆえにホームは静かで、落ち着いた雰囲気。
列車が到着する音だけが響く構内は、
「空港駅」というよりも、ひっそりとしたローカル駅のようです。
鉄道ファン必見の廃線跡
東成田駅周辺には、かつて使われていた線路やホーム跡が残されています。
これらは現在使われていませんが、
成田空港と鉄道の歴史を物語る貴重な痕跡です。
整備された遊歩道から眺めることができ、
鉄道遺構としても非常に見応えがあります。
「かつて、ここに多くの旅行者が降り立った」
——そんな想像をしながら歩くのも、東成田駅ならではの楽しみ方です。
観光地ではないからこそ、心に残る
東成田駅には、ショップも観光案内所もありません。
派手な見どころがあるわけでもありません。
それでもこの場所が印象に残るのは、
成田空港の“表に出ない歴史”を静かに伝えてくれる場所だからだと思います。
空港を利用する前後に、少しだけ足を伸ばしてみる。
それだけで、成田空港の見え方が少し変わるかもしれません。
皆様もぜひ利用してみてくださいね。
というわけで、よい「鉄分」を!
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