北陸新幹線とトロッコ電車で行く富山・黒部峡谷の旅

北陸新幹線とトロッコ電車で行く富山・黒部峡谷の旅
  • 夏休みを利用して、家族で富山県の黒部峡谷へと旅行してきました。

    東京からだと北陸新幹線に乗って行くわけですが、「かがやき」ではなく各駅停車の「はくたか」に乗車します。東京駅からは約2時間20分、黒部宇奈月温泉駅で下車。

  • 黒部宇奈月温泉駅に着いたら、改札口の正面にある南口を出て、目の前の横断歩道を渡ると、

  • 富山地方鉄道の新黒部駅があります。ここからローカル線でさらに移動。

  • 乗車券は待合室で販売しています。自動券売機もありますが、往復で利用する場合は駅員さんから往復割引切符を購入したほうがお得。往復割引切符は購入日から5日間有効なので、宇奈月温泉で宿泊する場合でも使えます

  • 新黒部駅からは特急アルプス号に乗車します。西武鉄道ファンでしたら喜ぶであろうレッドアロー号がここで活躍しています。時間帯によっては通常編成の列車しか走っていないので注意。

  • 車内は西武時代とうって変わって旅情あふれるレトロな内装。電車好きでなくても楽しくなってきます。こちらは自由席。

  • 社内には富山の伝統産業である売薬(家庭薬配置業)等にまつわる展示もされています。

  • で、この暖簾をくぐった先が指定席。

  • 指定席は一人あたり220円かかりますが、広い窓に寄せて配置されたシートで、風景を楽しみながら旅することができます。客車内で地ビールやソフトドリンクの販売も行われていますが、この指定席を満喫するならば新黒部からではなく電鉄富山駅から乗ってのんびり旅したほうが良さそうです。

  • 車窓はこんな感じの、山間の田園風景。進行方向右手は山沿いであまり風景が見えず、左手のほうが見晴らしが良いのでおすすめです。

  • 新黒部駅から25分ほどの乗車で宇奈月温泉駅に到着します。宇奈月は富山県内でも有数の温泉地。東京からの旅ならこのあたりの温泉宿で一泊する旅程のほうがゆったりできるでしょう。

  • なお、宇奈月温泉駅の出入り口やホームへの昇降にはエレベーターやエスカレーターがありません。段数も多いため、ベビーカーや大荷物を持っての移動はちょっと大変。

  • ここから先の黒部峡谷へは、日本でも数少ないトロッコ電車を利用します。

    宇奈月温泉駅を出たら、左後ろ方向に徒歩3分ほどの緩い坂を登ります。

  • 道中には温泉街ならではの足湯もあります。東京から3時間あまり移動してきたことになるので、ここらで一休みするのも手。

  • ちなみに宇奈月の温泉街には無料のEV(電気自動車)バスが周回しています。気さくな運転手さんと会話しながら温泉街をゆるゆると探索してみるのも面白いです。

  • トロッコ電車には黒部峡谷鉄道 宇奈月駅から乗車します。ここらの駅名はどれもよく似ていて間違えやすいので要注意。

  • まずは乗車券を購入します。トロッコ電車は指定席はありませんが、乗車する車両までは指定する必要があるので、混雑時には希望の列車に乗れない可能性があります。黒部峡谷鉄道の公式サイトで事前予約(乗車の3ヶ月前から前日15時まで)ができるので、あらかじめ予約しておくことをおすすめします。

  • 車両はこの3種類。普通客車ならば通常料金で乗車できますが、特別客車とリラックス客車には追加料金が必要です。客車の種類によって快適さや楽しさが変わってきます。

  • 黒部峡谷鉄道は、もともとここ黒部峡谷にダムや発電所を建設するための資材や工員の輸送手段として敷設されました。それが工事の必要があまりなくなった今では、主に観光用の鉄道として営業するようになったとのことです。

  • というわけで乗車します。まず往路は普通客車に乗ってみました。

    普通客車は窓がなく、最も見晴らしが良いのが特長。沿線の写真も撮りやすいですが、雨天時は雨が吹き込んできます。山の気候は変わりやすいため、天気予報に関わらず雨具は準備しておいたほうが良いでしょう。

  • 普通客車は背もたれなしのベンチシート。一列は最大4人掛けですが、4人座るとかなり窮屈になります。その代わり、空いていれば左右の移動はしやすいので、混雑時でなければ両側の景色を堪能できるのがポイントです。

    ただ、渓谷沿いを走る列車なので、窓がないぶん高いところが苦手な人にはちょっと怖いかも。

  • こちらは特別客車。普通客車よりも少し高いですが窓つき(開閉可)の車両になります。

  • 特別客車の座席はこんな感じ。こちらも一列最大4人掛け(1席は補助椅子)。

    普通客車と違って背もたれつきですが、向きを変えられない固定式のボックスシートのため、進行方向の席が取れないと少し寂しい思いをするかもしれません(往路は山を登っていくので後ろ向き席のほうが見晴らしは良いです)。

    私は今回復路に特別客車を利用してみましたが、シートがやや固くてお尻が少し痛くなったので、どうせ追加料金を払うならば後述のリラックス客車のほうが良さそうです。

  • この色の違うのがリラックス客車。今回は乗りませんでしたが、一列最大3人掛けでシートの向きが変えられ、背もたれや座面も特別客車より広いように見えました。窓が少しだけ小さくなってしまうのがデメリット。料金は特別客車と160円しか違わないので、乗車時間が長いことを考えるとこの客車でゆったり行きたいですね。

  • 改札は都内ではもう見られなくなってしまった有人改札。行きと帰りで形の違う改札鋏を入れてもらったのも久しぶりの体験で、懐かしい気分に浸れます。

  • 宇奈月駅から終点の欅平(けやきだいら)までは約80分の道のりになります。発車時はちょっとしたインディ・ジョーンズ気分を味わえます(大げさ)。

    道中は富山出身の個性派女優・室井滋さんのナレーションによる解説が入り、ここ黒部峡谷の歴史や見どころについて知ることができます。

    なお、車窓は鐘釣(かねつり)駅までの前半60分は進行方向右手の見晴らしが良く、左手はほぼ山か壁。鐘釣~欅平間の20分が逆に左手の見晴らしが良くなるので、行きは右側の座席が断然おすすめ。

  • トロッコ電車はもともとが坑道開発のための列車だったこともあり、全体の1/4くらい(ちゃんと計ったわけではなくて体感です)がトンネル。薄暗い道が続きますが、トンネルの中でも様々な横穴が掘られていたりするので、それはそれで見ていて楽しいです。

    また天候次第ですが真夏でもやや肌寒く感じることがあったので、何か羽織るものを一枚用意しておいたほうが良いでしょう。

  • トンネルを抜けるごとに新たな絶景が目に飛びこんでくるので、トンネルは単なる暗闇ではなく「次の絶景に向けて期待を高める時間」という感覚です。

    この日はあいにくの雨模様で、風景にも霧がかかっていましたが、これはこれで黒部峡谷の厳しさと神々しさを感じられて良いものですね。

  • 山間には黒部川に注ぎ込むいくつもの滝があったり、ダム建造時に「猿が対岸に渡れるように」と猿用にかけられた吊り橋があったり、人の手が入った後にも残る自然の力強さを感じることができます。

  • また、道中にはいくつものダムや

  • 発電所があり、三千メートル級の立山から富山湾へ急激に流れ込む黒部川が西日本の電力を支えている様子を目の当たりにできます。ちなみにこれらの発電所は北陸電力ではなく関西電力の管轄で、主に近畿地方の電力を賄っています。

  • 絶景を眺め続けて80分、終点の欅平駅に到着しました。

  • このあたりはもう山というよりは崖沿いの町。河原の石も大きくごつごつしていて、ここが黒部川の源流に近いことを感じさせます。

    ちなみに黒部といえば黒部ダム(黒四ダム)が有名ですが、黒部峡谷といっても広いため、ここから徒歩で行ける距離ではありません。一旦富山市内に戻って別ルートで行く必要があります。黒部峡谷と黒部ダムを両方巡りたい場合は、一泊して別日程で巡るのが良いでしょう。

  • 見渡す限り、山・森・川・岩肌。日常とはかけ離れた大自然です。そして何より空気がうまい。都会でのストレスが溶けていくのを感じます。

    欅平は周辺の散策や足湯、食事なども含めて2~3時間滞在するのにちょうど良い規模。朝8~9時台に宇奈月駅を出発してお昼時を欅平で過ごし、14~15時頃に宇奈月に戻ってくるスケジュールを組むのがおすすめです。

  • ちなみに復路はトロッコの発車時刻が近づくと、駅構内がご覧の有様になります。改札開始が発車10分前ですが、20分前で既にこの状況だったため、(乗り遅れることはまずないですが)トロッコのいい席を取りたければ30分くらい前から並んでおいたほうが良さそうです。

  • 復路は特別客車に乗って、また80分絶景を楽しみながら帰ってきます。今度は向かって左手、進行方向向きの席がおすすめ。

  • 黒部峡谷トロッコ電車の旅、普段の生活では乗ることのできない電車に乗って絶景を楽しむことができるので、鉄道好きでなくても十分に楽しめます。今回の車窓は山の緑で満たされていましたが、桜や紅葉の時季もまた絶景だろうなあ。機会があれば、次はそういうシーズンに来てみたいところです。

    というわけでよい「鉄分」を!

    ライター:B

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