鉄道旅の楽しみのひとつといえば、やはり駅弁です。
今回は、大船軒の名物駅弁「鯵の押寿し」を購入して、列車内で味わってみました。
大船軒といえば、神奈川県の大船・鎌倉エリアを代表する駅弁ブランド。その看板商品のひとつが、鯵を使った押寿しです。公式サイトによると、「大船軒 鯵の押寿し」は大正2年より発売され、100年以上続くロングセラー商品として紹介されています。現在は、環境に配慮した紙パッケージを使いながら、伝統の製法はそのままに販売されています。
歌舞伎風の掛け紙が目を引く「鯵の押寿し」
今回購入した「鯵の押寿し」は、箱を見た瞬間から駅弁らしさがあります。
縞模様を基調にした掛け紙には、「湘南鎌倉名物」「鯵の押寿し」の文字。昔ながらの駅弁らしいデザインで、列車のテーブルに置くだけでも旅情が高まります。
駅弁屋 祭の紹介でも、大船軒のロングセラー商品「鯵の押寿し」は、昔ながらの歌舞伎仕様の掛紙で販売されていると案内されています。価格は税込1,200円です。
箱を開けると、中には鯵の押寿しが8貫。白い酢飯の上に、酢で締められた鯵がきれいに並んでいます。派手さで勝負する駅弁ではありませんが、整った見た目と落ち着いた雰囲気があり、まさに“昔から愛されてきた駅弁”という印象です。
「関東風に握り、関西風に押す」大船軒ならではの製法
大船軒の鯵の押寿しで印象的なのが、その製法です。
パッケージには「関東風に握り、関西風に押す」と紹介されています。大正2年より続く、こだわりの製法です。
実際に食べてみると、一般的な握り寿司とは少し違う、押寿しならではの一体感があります。
酢飯はほどよく締まっていて、鯵と一緒に口に入れると、酢の香りと魚の旨みがゆっくり広がります。鯵は脂が強すぎず、さっぱりとした味わい。列車内でも食べやすく、においも強すぎないため、移動中の駅弁としてよく考えられていると感じました。
添付の醤油を少しつけると、味が引き締まります。甘酢生姜も入っているので、途中で口をさっぱりさせながら食べ進められるのも良いところです。
車内で食べると、駅弁らしさがさらに増す
今回は列車内でいただきました。
駅弁は家で食べてももちろんおいしいのですが、やはり車窓を眺めながら食べると印象が変わります。箱を開ける、掛け紙を見る、箸を取る、ひと口食べる。その一連の流れが、鉄道旅の時間そのものになります。
大船軒の鯵の押寿しは、幕の内弁当のようにおかずがたくさん入っているタイプではありません。内容はとてもシンプルです。しかし、そのシンプルさが逆に良く、列車の中で落ち着いて味わう駅弁として、とても完成度が高いと感じました。
特に押寿しは、揺れる車内でも食べやすいのが魅力です。箸でつまみやすく、一貫ずつ食べられるので、特急列車や普通列車のグリーン車など、移動中の軽い食事にも向いています。
大船・鎌倉エリアだけでなく、東京駅などでも購入可能
「大船軒」という名前から、大船駅周辺でしか買えない印象もありますが、現在は販売拠点が広がっています。
大船軒公式サイトでは、JR大船駅の大船南口店・大船西口店のほか、JR藤沢駅、JR鎌倉駅、JR熱海駅、JR東京駅の駅弁屋 祭 グランスタ東京店、JR新宿駅、JR上野駅などが販売拠点として案内されています。
東京駅の駅弁屋 祭でも取り扱いがあるため、東海道線方面へ出かける前だけでなく、新幹線や在来線の旅のおともとしても選びやすい駅弁です。
100年以上続く理由がわかる、飽きのこない駅弁
大船軒の鯵の押寿しを食べて感じたのは、長く愛されている駅弁には、やはり理由があるということです。
派手な具材やボリューム感で驚かせるタイプではありません。けれど、鯵、酢飯、押寿しという組み合わせがとても素直で、食べ終えた後に重たさが残りにくい駅弁です。
鉄道旅の途中で、少し落ち着いて食事をしたいとき。東海道線や横須賀線、湘南・鎌倉方面への旅の気分を味わいたいとき。あるいは東京駅の駅弁屋 祭で、歴史ある定番駅弁を選びたいとき。
そんな場面で、大船軒の鯵の押寿しはぴったりです。
大正時代から続く湘南・鎌倉の名物駅弁を、列車の中で味わう。これだけで、いつもの移動が少し特別な鉄道旅になります。
というわけで、よい「鉄分」を!
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