青森県弘前市と大鰐町を結ぶ弘南鉄道大鰐線。その主力車両として活躍しているのが、元東京急行電鉄(現・東急電鉄)の7000系を譲り受けた「弘南鉄道7000系」です。
今回、終点の大鰐駅から中央弘前駅まで実際に乗車する機会がありました。首都圏で活躍した名車が津軽の地で今も現役で走り続ける姿をレポートします。
大鰐駅で出会った東急生まれの車両
大鰐駅に停車していたのは7039-7040編成。
ステンレス車体に丸みを帯びた前面デザインは、1960年代の東急車両らしい雰囲気を色濃く残しています。
弘南鉄道7000系は、1963年から1964年にかけて東急車輛製造で製造された元東急7000系を譲り受けた車両で、大鰐線では1988年から運行を開始しました。現在も大鰐線の主力として活躍しています。
ホームに立つだけで、「これがかつて東京を走っていた車両なのか」と感慨深い気持ちになります。
車体には地域色豊かなラッピング
乗車した編成には、JA全農あおもりや農業関連企業の広告ラッピングが施されていました。
また、前面には「りんご畑鉄道」のヘッドマークも掲出。
りんごの産地として知られる津軽らしいデザインで、首都圏時代には見られなかった地域密着型の装いが印象的でした。
弘南鉄道では地域企業との連携やイベント列車なども積極的に展開しており、車両も沿線の魅力発信に一役買っています。
車内に入ると昭和の空気が残る
車内へ足を踏み入れると、そこには昭和の通勤電車らしい空間が広がっていました。
深みのある赤色のロングシート、ステンレスの手すり、独特の車内照明。
近年の新型車両にはない温かみがあります。
窓が大きく、車窓を楽しみやすいのも特徴です。津軽平野や岩木山方面の風景を眺めながらの移動は、大都市圏の通勤電車では味わえない贅沢な時間でした。
東急7000系は日本初のオールステンレス車両として知られ、現在もその基本構造を維持しながら弘南鉄道で活躍しています。
半世紀以上活躍する奇跡の車両
弘南鉄道7000系の製造年は1963~1964年。
すでに60年以上が経過していますが、丁寧な整備によって現役を続けています。
車両の床や窓枠、運転台周辺などには長年使用されてきた歴史が感じられ、鉄道ファンにとってはたまらない存在です。
近年は全国的に昭和生まれの車両が急速に引退しており、実際に乗車できる機会は年々貴重になっています。
大鰐線の未来とともに記録しておきたい車両
弘南鉄道大鰐線は厳しい経営環境が続いており、沿線自治体を含めた今後の議論が進められています。そんな中でも7000系は今日も津軽の人々の足として走り続けています。
首都圏で活躍した東急7000系が、青森の地で第二の人生を送る姿。
鉄道車両の歴史や地方鉄道の魅力を感じられる貴重な存在でした。
大鰐線を訪れる機会があれば、ぜひ7000系の乗車を楽しんでみてください。
という訳で、よい「鉄分」を!
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