神奈川県海老名市にある「ロマンスカーミュージアム」に行ってきました。
小田急線・海老名駅に隣接するこのミュージアムでは、小田急電鉄の歴史を伝える車両や、歴代のロマンスカーを間近で見ることができます。
今回は2回に分けて紹介します。
第1回は、実物車両が並ぶ「ヒストリーシアター」と「ロマンスカーギャラリー」を中心に見ていきます。
小田急線開業時の「モハ1」からスタート
館内で最初に出会うのが、小田急電鉄の歴史を紹介する「ヒストリーシアター」です。
ここには、小田急線開業当時の車両「モハ1」が展示されています。
小田急電鉄の前身である小田原急行鉄道が1927年に開業した際に運行を開始した、小田急線最初の車両です。
小田急線で30年以上活躍したのち他社へ譲渡され、熊本電気鉄道で廃車となった車両を小田急が譲り受け、1983年に開業当時の姿へ復元したものです。
現在のロマンスカーとはまったく異なる姿ですが、ここから小田急の車両の歴史が始まったと考えると興味深いものがあります。
歴代ロマンスカーが並ぶ「ロマンスカーギャラリー」
そして圧巻なのが「ロマンスカーギャラリー」。
2026年3月からVSEが加わり、現在はSE、NSE、LSE、HiSE、RSE、VSEの6車種が常設展示されています。
同じ「ロマンスカー」でも、並べて見るとデザインや車体形状が大きく異なります。
歴代車両をこれほど近い距離で比較できるのは、ロマンスカーミュージアムならではです。
ロマンスカーの歴史を変えたSE(3000形)
まずはSE(3000形)。
1957年に登場した高性能特急専用車両で、1957年には当時の狭軌鉄道世界最高速度となる145km/hを記録しました。
館内には先頭車2両と中間車1両が展示されており、そのうち先頭車1両は、国鉄時代の御殿場線への乗り入れに対応するため1968年以降に改造された車両です。
丸みを帯びた先頭部やバーミリオンオレンジを基調とした姿は、現在見ても強い存在感があります。
展望席を採用したNSE(3100形)
続いてはNSE(3100形)です。
1963年に登場し、小田急線で初めて展望席と2階の運転席を採用しました。ロマンスカーと聞いて「先頭車の展望席」を思い浮かべる方も多いと思いますが、そのスタイルを確立した車両のひとつです。
ロマンスカーミュージアムには先頭車2両と中間車1両が保存されています。
写真でも、先頭部の大きな窓と、その上に設けられた運転席という独特の構造を間近で見ることができました。
長年活躍したLSE(7000形)
そしてLSE(7000形)。
1980年に登場し、2018年まで活躍したロマンスカーです。
ロマンスカーミュージアムでは先頭車1両を展示。公式には「直線的でスピード感のあるフォルム」が特徴として紹介されています。
バーミリオンオレンジを基調にグレーと白を組み合わせた車体は、歴代ロマンスカーの中でも印象的です。
ハイデッカー構造のHiSE(10000形)
HiSE(10000形)は1987年に登場。
大きな窓とハイデッカー構造を採用していることが特徴で、ロマンスカーミュージアムでは先頭車1両が展示されています。
さらに、車体だけでなくロマンスカーの特徴のひとつである連接台車も見ることができます。
展示車両を横から眺めると、大きな側窓や客室の位置など、LSEとの違いもよく分かります。
JR御殿場線直通で活躍したRSE(20000形)
青系のカラーリングでひときわ雰囲気が異なるのがRSE(20000形)です。
1991年にJR御殿場線への乗り入れを目的として登場した車両で、小田急線では初めて2階建て構造の客席を採用しました。
館内には先頭車1両と中間車1両が展示されています。
写真に収めた車内を見ても、ほかの歴代ロマンスカーとはまた違った雰囲気があります。
2026年3月からVSE(50000形)も仲間入り
そして今回、特に見たかったのがVSE(50000形)です。
VSEは2005年にデビュー。「白いロマンスカー」として親しまれ、2023年12月10日に最終運行を終えました。
その後、50001号車が保存され、2026年3月19日からロマンスカーミュージアムで一般展示されています。
真っ白な流線形の車体は、歴代車両が並ぶギャラリーの中でも目を引きます。
VSEは車内も見学できる!
VSEの展示でうれしいのが、実際に車内へ入って見学できることです。
展示されている50001号車には、VSEを象徴する展望席があり、高いドーム型の天井や、車窓を楽しみやすいよう角度をつけた座席なども間近で見ることができます。
写真でも撮影しましたが、白を基調とした車体とは対照的に、車内は木の質感や暖色系の座席が印象的です。
営業運転を終えたVSEの車内を、今こうしてじっくり歩いて見られるのは貴重な機会です。
なお、通常の車内見学と、運転室・車掌室への立ち入りは別です。運転室や車掌室は通常は立ち入ることができず、特別なガイドツアーなどで公開されるエリアとなっています。
実車だからこそ分かる、ロマンスカーの進化
SE、NSE、LSE、HiSE、RSE、そしてVSE。
写真や映像で歴代ロマンスカーを見る機会はありますが、実車を同じ空間で見比べると、各時代でロマンスカーがどのように変化してきたのかがよく分かります。
先頭部の形、窓の大きさ、展望席の考え方、客室のつくり、そして車体デザイン。
単に「昔の電車を保存している」というだけではなく、小田急ロマンスカーの歴史を実車でたどれる場所なのが、ロマンスカーギャラリーの大きな魅力でした。
そしてロマンスカーミュージアムの見どころは実車だけではありません。
次回の第2回では、今回撮影した新宿から箱根までの小田急沿線を再現した巨大ジオラマ「ジオラマパーク」を中心に紹介します。
というわけで、よい「鉄分」を!















